09/06/02配信分
一日一回内服のatazanavir/ritonavir (ATV/r)は一日二回内服のlopinavir/ritonavir (LPV/r)に対しては非劣性が証明され、消化器系の副作用に関してはATV/rが優れていたことが第15回イギリスHIV学会で(BHIVA)で報告された。
Royal Free 病院のMargaret Johnson医師、Chelsea and Westminster病院のGraeme Moyle医師らはCASTLE studyの最終96週目の結果についてポスター報告した。
今回まず、48週時点のHIV RNA <50 copies/mlの達成率をプライマリーエンドポイントとしてATV/rのLPV/rに対する非劣性の証明であったがセカンダリーエンドポイントとして96週時点でのウイルス学的効果とCD4数の変化、耐性化、副作用、脂質の値を経過観察していた。883例の初回治療例を無作為化しATV/r 300/100 mg (n = 440)一日一回とLPV/r 400/100 mg (n = 443)一日二回内服に割りつけた。
バックボーンのレジメンは両群ともにツルバダ一日一回を選択した。すべての患者はHIV-1 RNA >=5000 copies/mlで、CD4数の制限はなかった。両群間で患者プロフィールにはCD4数を含めて有意な差はなく、ITT解析可能症例のなかで解析するとTotalのウイルス学的効果は有意差をもってATV/rが優れていた。しかしLVP/r群は治療継続困難症例が多く、治療継続患者で解析すると両者に差はなかった。
データをさらに詳細に解析した場合、HIV-1 RNA10万コピー以上とそれ以下で分けるとATV/r群ではウイルス学的効果は同等であった。(75% and 74%)
CD4数の増加については両群間に差はなく、CD4数100以下でHIV-1 RNA10万コピー以上の進行した患者においても同等であった。
ウイルス学的失敗は低率で耐性誘導についても両群ともに頻回ではなかった。
99%が治療を受けていたが19%(167例)96週に達する前に治療中断がみられた。最も多いのは副作用による中断(n=35)で、その他経過観察不能(n=23)あるいはコンプライアンス不良(n=28)であった。治療中断はLPV/r群で多く21%であった。(ATV/rは16%)約30%の患者でgrade2から4にいたる有害事象がみられた。消化器系の有害事象はLPV/rで有害事象の中の12%でATV/rの2%に比し多かった。
しかし、ATV/r群では高率に総ビリルビンの上昇(正常値の2.5倍以上)を認めた。空腹時の総コレステロール値や中性脂肪値の変化はLPV/r群で有意に高かった。予測不能の有害事象は両群で認めていない。
結論として一日一回のATV/r内服は一日二回のLPV/r内服に対して96週時点でも非劣性が証明されたこと、一日一回のATV/rにTDF/FTCを加えるレジメンは有効性と安全性が長期間維持されること、初回治療HIV感染症患者に対してこのレジメンは適正な選択であること、があげられる。
[Presentation title: CASTLE Study: 96-Week Efficacy & Safety of ATV/r Versus LPV/r in Antiretroviral-Naive HIV-1Iinfected Patients. Poster 23]
予防的にフルコナゾールを使用することで、HIV陽性患者の浸潤性クリプトコッカス症を防止できることが、第15回英国HIV学会(BHIVA)で発表されたstudyで明らかにされた。
クリプトコッカスの予防のstudy(CRYPTOPRO)では、致死率に何の影響も見られないという報告もあったが、研究者たちは、フルコナゾールの予防投与で標準的な治療を受けているアフリカ人患者の致死率が減少している可能性を示唆している。
「これはアフリカで行なわれたフルコナゾールの予防に関する最初の大規模なトライアルだ。われわれの目的は、ウガンダのHIV陽性成人に対して、フルコナゾールが生存やクリプトコッカス症に与える影響を決定することであった。
Studyに参加したのは1519人の患者で、クリプトコッカス抗原が陰性で、過去にクリプトコッカス症を患ったことがなく、未治療で、かつCD4数が200/μL未満のものであった。患者は無作為にフルコナゾール200mgを週3回内服する群(n=760)とプラセボ(n=759)に分けられた。ベースラインの背景とCD4数は両群で同様であった。患者は4週間にわたって経過観察された後、8週間毎に再評価された。体調が優れない時は、病院で治療を受けた。」と、Rosalind Parkes-Ratanshi, MD(Imperial College London)は4月3日のプレゼンテーションで述べた。
総ての患者が抗ウイルス療法(ART)の適応を検討され、トライアル期間中に88%が治療開始された(平均で11週間)。
患者たちは、ウガンダの治療ガイドラインに沿って、cotrimoxazole(注:ST合剤,日本の商品名はバクタ)の予防も受けた。フルコナゾールの内服はCD4数が200/μLを超えるまで続けられた。トライアルを脱落したものも同様で、studyに参加した患者では平均5ヶ月間内服を継続した。
フルコナゾールの予防内服は、HIV陽性患者の浸潤性クリプトコッカス感染を著明に減らした(P = .0001)。studyを通じて19のクリプトコッカス症が記録されたが、フルコナゾール群では、わずか1例のみであった。
ARTとフルコナゾールの併用効果について見ると、ART導入後でさえ、プラセボ群でクリプトコッカス症の発生率が有意に高かった(7つの感染例) (P = .0001)。クリプトコッカス感染症はベースラインのCD4数が低い群でより起きやすかった。
プラセボ群ではクリプトコッカス症の7人の患者が亡くなった。しかし、これらの死亡が全死因に及ぼす影響に関しては、有意差は認めなかった。結果としては、フルコナゾール群の100の死亡に対し、プラセボ群では98であった。
食道カンジダ、咽頭、膣カンジダの感染率も、ARTとは関係なく、プラセボに比し、フルコナゾール群で有意に低かった(P = .0001)。
有害事象の為に継続が出来なくなったのは、両群で有意差はなかった。ART開始後、ネビラピンを含んだARVsとフルコナゾールでの相互作用による有害事象は見られなかった。
「アフリカの医療では、クリプトコッカス抗原の検査をしたり、クリプトコッカスの治療を行なったりすることが広く普及しているわけではないが、フルコナゾールによる予防の使用が広がることで、クリプトコッカス症の疾病率の減少に加え、死亡率の減少にもつながると我々は信じている。このstudyは、資源が乏しい環境、特にARTが100%に満たない地域でフルコナゾールの予防を行なうことの根拠を強調した。」と、Dr. Parkes-Ratanshiは述べた。
このstudyは、the UK Medical Research Councilの資金提供を受けた。
[Presentation title: Successful Primary Prevention of Cryptococcal Disease Using Fluconazole Prophylaxis in HIV-Infected Ugandan Adults (CRYPTOPRO). Abstract O26]
2009年4月6日、英国リバプールでEvelyn Harveyは述べた。
このBHIVA第15回年次集会において発表されたように、HIV患者に対するマラビロック(MVC)による治療の効果は、ウイルスの薬剤耐性水準に依存するかも知れない。抗レトロウイルス療法後にウイルス血症がある患者に対して、マラビロックと、最適化された既存治療との2b期無作為化国際臨床試験(MOTIVATE1および2)の新しい多重比較解析結果が、Alastair Teagueら(英国ロンドンのチェルシー・ウェストミンスター病院)によって4月2日に示された。結果は、非3クラス耐性(non-TCR)HIV感染の患者において有意なウイルス量の減少と病態抑制効果を示した。さらにCD4細胞数も、3クラス耐性(TCR)HIV感染患者よりも有意に上昇した。「より多くの治療を経験した患者のHIVは、3クラス耐性HIVに発展する危険性が高い」とTeague博士は述べた。
MOTIVATEデータに関するこの多重比較分析は、3クラス耐性のウイルス及びそうでないウイルスの感染患者におけるマラビロック治療において、ウイルス量とCD4細胞数を比較するために行われた。R5 HIV-1感染患者1,049例がMOTIVATE研究に参加した。
すべての患者は高いウイルス量(>5,000コピー/ml)を持っており、以前に3クラスの抗レトロウイルス薬を投与されていた。患者はMVCまたは偽薬投与に無作為に割り付けられ、さらに背景の治療も最適化された。最新のサブ解析は、薬物の許可された投与量および頻度に相当するので、治験のMVC1日2回投与法に注目した。患者は遺伝子型と表現型の耐性から、TCR(n=261)と非TCR(n=165)に分類された。TCR患者の中で、7、2、および11の変異が、それぞれNRTIs、NNRTIsおよびPIsの感受性を低下させていた。非TCR患者は以前すでに治療を受けていたが、各クラスに関して有意に変異が少なく(0-4、P<.001)、TCRであると考えられなかった。非TCR患者はベースラインにおいてTCR患者よりCD4細胞数が多かった(P=.05)。MOTIVATE試験の全面的な結果は、偽薬と比較して、MVCはウイルス量を有意に減少させ、より高い割合の患者においてHIV RNA <50コピー/mlを達成した(両試験ともP <.001)。
Teague博士によって示された分析では、48週のウイルス量は非TCR被験者において有意に減少した(OR=0.31)。HIV RNA<50コピー/mlを達成した割合も、非TCR群の方がTCR群より有意に高かった (OR= 0.78)。
他の治療やHIV RNA <50コピー/mlの患者に調整しても、非TCR群においてCD4細胞数の上昇は、より顕著であった。TCR群と比較して非TCR群に示唆されたMVCの増強効果としてCD4細胞数の違いは、TCRに対して偽薬を投与した場合には認めなかった。
「これらのデータは、すでに治療を受けた非3クラス耐性のR5HIV感染患者に対して、より濃厚に治療された患者よりも有益かも知れないことを示唆している」とTeague博士は結論を述べた。
この研究はファイザーグローバル研究開発によって出資提供さた。
[Presentation title: Impact of Baseline (BL) Antiretroviral Resistance Status on Efficacy Outcomes Among Patients Receiving Maraviroc (MVC) Plus Optimised background Therapy (OBT) in the MOTIVATE 1 and 2 Studies. Abstract O22]
BACKGROUND: 無症候性のHIV感染患者において、最適な抗レトロウイルス療法開始時期は明確ではない。
METHODS: 我々は、アメリカ合衆国、カナダにおいて、1996年〜2005年の期間に診療を受けた無症候性のHIV感染患者17517人を対象に2つの解析を並行して行った。全患者において抗レトロウイルス療法経験患者はいなかった。抗レトロウイルス療法開始時に、CD4数別(CD4 351〜500/mm2、または>500/mm2)に患者を分類した。分類後、各群において、CD4数が2つの閾値の範囲内である時に治療を開始した患者群(早期治療群)と閾値を下回ったときまで治療を延期した患者群(治療延期群)の死亡の相対危険度を比較した。
RESULTS:一つ目の解析では、8362人の患者が参加し、2084人(25%)はCD4数351〜500/mm2で治療を開始し、 6278人(75%)は治療を延期した。治療延期患者群において、暦年、患者コホート、人口統計学的かつ臨床的特徴を調整後、死亡危険率は早期治療群と比較して69%増加していた(治療延期群の相対危険度1.69; 95% confidence interval [CI], 1.26 to 2.26; P<0.001)。
二つ目の解析では、9155人の患者が参加し、2220人(24%)がCD4数500/mm2以上で治療を開始し、6935人(76%)が治療を延期した。治療延期群では、死亡危険率は94%増加していた(相対危険度1.94; 95% CI, 1.37 to 2.79; P<0.001)。
CONCLUSIONS: CD4数が二つの閾値下回る以前に、早期に抗レトロウイルス療法を開始することは、治療延期した場合と比較して優位に生存率を改善させる。
2009 Massachusetts Medical Society
Publication Types:
Research Support, N.I.H., Extramural
Research Support, U.S. Gov't, P.H.S.
過去5年間において最初のHIV関連日和見感染の予防と治療ガイドラインの改訂がIDSA(米国感染症学会)、NIHおよびCDC共同で行われた。
新たなガイドラインはHIV感染成人および若年者に関連する29種の日和見感染症について最新の医療知識を盛り込んだものになった。
140人以上の専門家が分担して作成にあたっており4月10日に発表された。
「この5年間でより正確な診断用試薬等が開発され、より効果の高い治療薬がこれら感染症に使用されるようになったためよりよい治療と予防のアプローチができるようになっている。」とNIHのHenry Masur医師は述べた。
改訂されたガイドラインに記載された知見は医師や患者へしっかりとひろがっている。
今回のガイドラインはこれまでの二つに分かれていたものが一つにあわせられている。一つは2002年に作られた日和見感染の予防のガイドラインで、もう一つはそれらの治療のための2004年に作られたガイドラインである。
今回のガイドラインの大きな変更点としては、適切な抗ウイルス薬治療による免疫機能の回復が日和見感染の予防および知慮にもっとも大切であることが強調されている点と、IRISの診断とマネージメントに関する情報、B型、C型肝炎の予防と治療についての情報、結核の診断のためのIFN-g産生チェック(日本でいうQFT)に関する情報、そして抗HIV薬と日和見感染治療薬との相互作用についての情報の更新である。
新しい項目としては、マラリアやその他の熱帯病の項目ができた。これはHIV感染者の移民やHIVに感染したアメリカ人の旅行者向けとして新設された。
今回のガイドラインはhttp://www.cdc.gov/mmwr/pdf/rr/rr5804.pdfで入手可能である。
さらに小児科版の最終原稿が年末くらいには「Guidelines for the Prevention and Treatment of Opportunistic Infections among HIV-Exposed and HIV-Infected Children」として発行される予定である。
SOURCE: National Institutes of Health
未治療のHIV陽性患者に、リトナビルでブーストしたロピナビル(LPV/r)とラルテグラビア(RAL)を開始した場合、LPV/rとテノフォビル/エムトリシタビン(TDF/FTC)を受けた群と比較し、8週間の治療で、ウイルス量がより低下することが、第15回英国HIV学会年次総会(BHIVA)で報告された。
「以前のstudyでは、治療未経験のHIV感染患者に対して、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤にラルテグラビアを追加したレジメンは、エファビレンツを含んだレジメンに比べ、血清のウイルス量を速やかに低下させた。」
と、リーサーチャーは記している。
そこで、アボットのThomas Podsadecki, MDら(Abbott Laboratories, Abbott Park, Illinois)は、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤にRALとLPV/rを追加したレジメンとLPV/r + TDF/FTCのレジメンでのウイルス量の低下を比較した。
The PROGRESS studyは、206名の未治療HIV感染患者が含まれ、RAL + LPV/r (400 mg + 400/100 mg BID; n = 103)とLPV/r + TDF/FTC (400/100 mg BID + 300/200 mg QD; n = 106)に無作為に振り分けられた。
LPV/rあるいはTDF/FTCの耐性を持つ場合、studyで使用される薬にアレルギーがある、B型肝炎がある、あるいはstudyに混乱をきたすような医療的な問題を抱えている場合は除外された。
CD4陽性T細胞を含んだベースラインの背景は両群で同等で、CD4陽性T細胞数は、LPV/r + RAL群で294.1 cells/mm3、LPV/r + TDF/FTC群で290.4 cells/mm3であった。
治療開始後2、4、8週間での結果は、ウイルス量が検出限界以下(HIV-1 RNA <40 copies/mL)に達したものは、RAL + LPV/rがLPV/r + NRTIに有意に勝っていた(P < .001)。
8週間の時点でのCD4数は、両治療群とも、ベースラインから著明に増加していた(P < .001)。RAL + LPV/r群で124.5 cells/mm3 増加し、LPV/r + NRTI群で107.7 cells/mm3 の増加があったが、統計学的に有意差はなかった。
両群での有害事象に差はなく、薬剤関連やラボデータでの中等症〜重症の有害事象は稀であった。
下痢はLPV/r + NRTI群で8.6%、RAL + LPV/r群で4.0%であったが、有意差は認めなかった。
脂質の分析では、中性脂肪、HDL-C、総コレステロールで、RAL + LPV/r群がLPV/r + NRTI群より増加していた。
「8週間の治療中、NRTIにLPV/rとRALを加えた新レジメンは、LPV/r + TDF/FTC群と比べ、ウイルス量を低下させるのが速く、かつ検出限界以下に至るものも、有意差をもって多かった。この結果は、以前行なわれたRAL + 2 NRTIsで見られたウイルスの低下速度と矛盾しないし、NRTIに2つの薬剤を加えたレジメンも、HIV-1 RNAを速く抑制することを示した。」
とリサーチャーは結論した。
このstudyは、Abbott Laboratories and Merck & Co. Incから資金提供を受けた。
[Presentation title: Lopinavir/Ritonavir (LPV/r) Combined With Raltegravir (RAL) Provides More Rapid Viral Decline Than LPV/r Combined With Tenofovir Disoproxil Fumarate/Emtricitabine
(TDF/FTC) in Treatment-Naive HIV-1-Infected Subjects. Poster 31]
アドヒアランスの悪い患者はウイルス学的奏効率が低下するが、アドヒアランスの良い患者よりも多くの有害事象を受けているということが、この第15回英国HIV学会(BHIVA)年次総会(2009年4月7日、英国リバプール)にて示された。
さらに非アドヒアランス患者では、ダルナビル/リトナビル(DRV/r)内服患者よりロピナビル/リトナビル(LPV/r)内服患者のウイルス学的反応に対して、より大きな影響があった。
TMC114(ダルナビル)による抗レトロウイルス療法の試験(ARTEMIS)におけるアドヒアランスに関する新たな解析結果が4月7日に発表された。
「抗レトロウイルス薬治療に対するアドヒアランスは長期的予後を強く予想するものである」「我々はARTEMISにおける96週時点でのアドヒアランスに関する更新した解析を示す」と筆頭著者Mark Nelson(英国ロンドン、チェルシー・ウェストミンスター病院)は記述した。
この研究は未治療HIV患者において、低用量のDRV/r(1日800mg/100mg)群343例と低用量のLPV/r(1日800mg/200mg)群346例に対して効果と安全性を比較したものである。96週においてDRV/rはLPV/rよりも良好なウイルス学的反応を示した。
この研究の最中、全ての患者は内服アドヒアランスに関する完全な自己報告を要求された。アドヒアランスの情報は4,12,24,36,48,60,72,84,96週時点に収集された。
一般的に、最適な抗レトロウイルス効果のためには95%を超えるアドヒアランス水準が必要とされている。しかしARTEMISの患者ではアドヒアランス(>95%)患者のほか非アドヒアランス患者(<95%)の群も認められた。
全体的なアドヒアランスは高く、DRV/r群の83%、LPV/r群の78%が、4週から96週にかけて平均して95%を超えるアドヒアランスであった。2つの治療群の間にアドヒアランスの有意差は認めなかった。
アドヒアランス患者のウイルス学的奏効率(HIV RNA-1 <50コピー/ml)はDRV/r群(82%)とLPV/r群(78%)で同等であった。アドヒアランス患者の奏効率は両治療群とも、非アドヒアランス(4週から96週にかけて平均<95%)患者よりも高率であった。
この奏効率の違いは、DRV/r群ではアドヒアランスと非アドヒアランスで6%の変化(P=.33)で小さいが、LPV/r群では25%もの違い(P< .001)が認められ、これは最適でないアドヒアランス下ではLPV/rの効果はDRV/rの効果よりも、より強い影響を受けるということを示している。
各時点での自己報告されたアドヒアランスと対応するように、各時点から30日以内に発症した副作用も記録された。両治療群においてほとんどの時点で、非アドヒアランス患者はアドヒアランス患者よりも多くの副作用を記録していた。
LPV/r群の患者はDRV/r群よりも一貫して多く副作用を記録していた。1週から96週にかけて、胃腸障害の副作用を記録したのはLPV/r群での75%に比較し、DRV/r群では61%であった。39個の徴候リストからの苦痛スコアもまたLPV/r群がDRV/rより高かった。
「非アドヒアランス患者が高率に副作用、胃腸障害を記録したことは、耐えられるかどうかがアドヒアランスを左右するのかも知れないということを示している。」と研究者達は結論づけた。
「アドヒアランスが危うい場合でLPV/rと比較したDRV/rのより高い有効性は、リトナビルに後押しされたダルナビルの半減期がより長いこと、もしくはLPVに比べDRVがの方がHIV-1に対する強い結合能があって分離する率が低いことの結果かも知れない。」
[Presentation title: Adherence to Darunavir/Ritonavir (DRV/r) and
Lopinavir/r (LPV/r) in Treatment-Naive HIV-Infected Patients in
ARTEMIS (Antiretroviral Therapy With Tmc114 Examined in Naive
Subjects): 96-Week Data. Abstract 115]
HIV陽性患者は、HIV陰性のワクチン接種者と比較して、ワクチン投与量を倍量にしてもHBVワクチン筋注(Engerix)に対する免疫応答が弱いと第15回BHIVAにて発表された。
この研究は、英国Birmingham の大学病院のKaveh Manavi医学博士が筆頭研究者で、HIV陰性の対象群と比較してHIV陽性患者群は、防御免疫応答の標準尺度である抗HBs抗体が10IU/L以上であることが少ないこともわかった。
HIV患者においては、共有のウイルス感染経路のためHBV感染のリスクが増加している。ワクチン接種は推奨されているが、標準のワクチン接種後の免疫応答は、HIV陽性患者において弱いことがさまざまな調査で示されている。と筆者は述べた。
我々は、標準量のHBVワクチン投与を行ったHIV陰性対象群と比較して、倍量のHBVワクチン投与を行ったHIV陽性患者群の反応率を調査するために研究を行った。
現在イギリスでは、新規に診断されたHIV陽性患者全員に対して、HBV抗体をスクリーニングし、抗HBV抗体がない場合は、ワクチン接種をするべきであるとしている。
過去のHBV暴露が証明されていないHIV陽性患者51人、HIV陰性患者48人全員に対し、研究期間中(2007年6月-12月)にHBVワクチン接種を完了させた。
患者全員、HBVワクチンを筋注した。HIV陰性患者は、標準量の1mlを初回、7日後、21日後に投与され、1年後も追加接種を行った。HIV陽性患者は、初回、1ヶ月後、4ヶ月後に倍量の2mlを投与された。投与スケジュールが終了後に患者の抗HBs抗体力価を測定した。
抗HBs抗体>10IU/Lは、HIV陽性患者の65%、HIV陰性患者の92%で認められ、これにより有意差が証明された(P = .002)。
HIV陽性患者においては、HBVワクチンによる免疫応答を認めた患者と、認めなかった症例とでは、CD4数の中央値に有意な差は認めなかった。
CD4数で見てみると、CD4数200以上の患者の68%はワクチンによる免疫応答を認め、比較して、CD4数200以下の患者の55%は免疫応答を認めた。しかし、この傾向は統計学的に有意ではなかった。
HIV非感染患者のHBVワクチンに対する免疫応答は、HIV感染患者より有意に高かった。と著者は結論付けた。HIV感染患者に倍量投与後でも、ワクチンによる免疫応答は、標準量を投与した非感染患者より有意に低い状態で留まっていた。HBVワクチンによる免疫応答は、CD4数が200を上回る患者においてよりその傾向を認めた。
この研究はUniversity Hospitals Birmingham NHS Foundation Trustにより資金提供を受けた。
[Presentation title: HBV Vaccine Response of HIV-Infected Patients Immunized With Double Dose Engerix Compared With Vaccination Response of HIV-Uninfected Patients Vaccinated With Standard Dose of Engerix. Poster 112]