09/02/23配信分
ACP(米国内科学会)が13才以上の患者に対してHIVスクリーニング検査を全例で行うことを奨励した。
このガイドラインはAnnals of Internal Medicineのオンライン版で公開されている。
「このガイドラインの目的は現場の医師にHIVスクリーニング関連のエビデンスを示して彼らの意志決定の一助になることである。」とACP's Clinical Programs and Quality of Care部門の Amir Qaseem医師がコメントした。
ルーチンでのHIVスクリーニングをリスクファクターの有無にかかわらず行うことを承認しており、ガイドラインによれば、すべての患者にスクリーングテストについて説明し症例によってはある決まった間隔で検査を繰り替えす必要性についても説明するべきであるとしている。高リスク群では通常のリスク患者より頻回な再検査が必要であるとされている。
今回のガイダンスはthe US Preventive Services Task Force (USPSTF) and the Centers for Disease Control and Prevention (CDC)により作られたHIVスクリーニングに対するガイドラインを元にしている。
全文は以下のアドレスで発表されている。
http://www.annals.org/cgi/content/full/0000605-200901200-00300v1
SOURCE: American College of Physicians
ヨーロッパの薬事委員会は、リトナビルや他の抗ウイルス薬と併せて用いるダルナビル(商品名プリジスタ)の適応を、既治療のHIV感染者まで拡大した。
この適応拡大は、48週間の第V相試験、Treatment-Experienced Patients Naive to Lopinavir trial (TITAN試験)の結果に基づいている。この試験の結果、ダルナビル使用群(n=298)はロピナビル使用群(n=297)に比べて、ウイルス量400コピー/mL未満を達成した割合が優位に多かった(77%対67%、P<.0001)。
ダルナビルは、通常忍容性に優れており、ダルナビル(600mg/day)とリトナビル(100mg/day)を併用した患者で報告されている副反応の度合いは、大部分が軽度から中等度であった。
SOURCE: Johnson&Johnson
膣投与ゲルの候補であるカラガード(カラギーナンをベースにした合成物)は、HIV感染から女性を予防する効果がないことが、12月6日付のランセットで発表された。
無作為、プラセボコントロールのトライアルが、ニューヨークの人口問題会議のStephanie Skoler-Karpoff、Barbara Friedlandらによって行なわれ、会議にてカラギーナンをベースにしたゲルの評価が行なわれた。
トライアルは南アフリカの3つの箇所で行なわれ、性的にアクティブなHIV陰性の女性6202人が対象となった。うち3103人にカラギーナンをベースにしたゲルが、3099人にはプラセボとしてメチルセルロースのゲルが与えられた。彼女たちは、経膣セックス1回毎に挿入器具及びコンドームを1回ずつ使用するように指導された。トライアル参加者は2年間以上経過観察され、3ヶ月毎に医療機関を受診し、HIV感染の有無と妊娠について検査され、リスク削減についてカウンセリングを受けた。そして治療可能な性行為感染症や症状のある膣感染に対して治療を受けた。早期転帰は、セロコンバージョンまでの期間とした。
研究者らは、年当たりのHIV感染確率が、カラギーナン群で100人当たり3.3(134人)で、プラセボ群では3.8(151人)であり、セロコンバージョンまでの期間で有意差は認められなかったという見解を示した。
自己申告によるレポートでは、直近のセックスでの、ゲル使用頻度はカラギーナン群で96.2%、プラセボ群で95.9%、コンドームの使用は両群で64.1%で、両群とも同様の結果であった。しかし、挿入器具の使用に関しては、セックス時に使用していたのは僅か42.1%(カラギーナン群で41.1%、プアセボ群で43.1%)であった。
有害事象は両群とも同様で、ゲル使用に関連した有害事象も両群で差はなかった。
「このstudyでは、〔カラギーナンをベースにしたゲル〕が男性から女性へのHIV感染防止に有効ではあることは証明できず、安全ではないことが示された。低量のゲルが顕著な予防効果を示すという可能性を揺るがせることになった。この結果は別の殺微生物剤の効果についても、がっかりさせる結果となったが、女性側からHIV感染を予防する探求は、今後も続けられるべきである。」と、筆者は述べた。
このコメントに伴って、Willard Cates, MD, and Paul Feldblum, MD (Family Health International, Durham, North Carolina)は、「HIVの感染予防に際し、新しい効果的なツールを得ようとする時はいつでも、シングルアプローチでは満足できる予防を得られない。寧ろ部分的な効果を示す予防のコンビネーションをまとめて、特定集団をターゲットにアプローチをしていくことになろう。この方法には、行動、生物医学的、組織的介入や、他の効果を強化するデザインも含まれることになろう。予防のコンビネーションを累積する努力が、HIVの流行を、おし止める望みとなる。」 と述べた。
SOURCE: The Lancet
HIV-1に感染した未治療患者において、併用療法の一薬剤としてアタザナビルの1日1回投与がSMC(Scottish Medicines Consortium)で承認された。
成人の未治療HIV-1感染患者に対する、他の抗レトロウイルス薬との併用薬剤としてのアタザナビルの使用拡大の決定は、特に新規にHIV感染と診断された患者にとっては朗報である。
スコットランドの医師らは、現時点でHIVの早期治療に対する、一つの有効な手段であろうと述べている。そして患者らはこの治療を受けることで、ロピナビルより嘔気、下痢の発生頻度が低く、脂質の上昇の割合も低くなる。そのうえアタザナビルは1日1回という点で、他の治療を受けている患者より、簡便であるといえる。
SMCはCASTLE studyの48週データをもとに承認した。CASTLE studyとは、未治療HIV-1感染患者を対象に行われ、併用療法の一つとしてリトナビルブーストのアタザナビルは、1日2回投与のリトナビルブーストのロピナビルと同等の抗ウイルス効果であることを実証したstudyである。
またCASTLE studyでは、リトナビルブーストのアタザナビルは、未治療HIV-1感染患者において、下痢と脂質に関する有害事象の発生率が低く、高ビリルビン血症の発生率が高いことも実証された。
SMC投稿後、ワシントンDCにて、CASTLE studyの96週データが、第48回ICAACと第46回IDSAで発表され、96週データにおいても、アタザナビルはロピナビルと同等の有効性を示し続けており、胃腸や脂質への影響に関しても2剤間で相違を認めた。
SOURCE: Bristol-Myers Squibb
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、コバス・タクスクリーンMPXテスト(cobasTaqScreen MPX Test)という初の核酸検査を認可した。
この検査は、献血や提供組織から多岐に渡るHIVタイプの選別をスクリーニングするものである。
MPX testを用いることで、献血の検査室では、追加的なHIVタイプをスクリーニングする為の核酸技術を使用することができるだろう。そうすることでさらに献血や提供組織は感染除去が保証され、患者により良い保護がもたらされるだろう。とMaryland州 RockvilleにあるFDA's Center for Biologics Evaluation and ResearchのJesse L. Goodman医学博士が述べた。
このFDAが新しく認可した検査は、HIV-2やHIV-1goup0の核酸を検出する。そしてMPXtestは、HIV-2やHIV-1goup0に加えて、同時にHIV-1groupM、B型肝炎やC型肝炎ウイルスの核酸を検出する。
SOURCE: US Food and Drug Administration
HIV感染者へ移植された腎臓の1年生存率は、非HIV感染患者と同様であり、移植失敗のリスクファクターが認識され、タイトなマネージメントが必要である。ということが、the Archives of Surgeryの1月号でのstudyで発表された。
「腎移植は、慢性腎臓病を抱えたHIV陽性患者にとって実現可能で必要なオプションである。特にこの集団は、腎臓病によって大きな犠牲を払ってきた。」と、筆頭研究者のJayme Locke, MD(メリーランドのジョン.ホプキンス大学医学校 外科)は語った。
Dr. Lockeらは、the United Organ Sharing Network (UNOS)のリストから2004年1月から2006年6月までの間に腎移植を受けた36492人のHIV非感染者と100人のHIV陽性者を選び、腎の1年生存率と患者の1年生存率を調べた。18歳以下と多臓器の移植を受けたものは除外した。
両群での生存率はほぼ同等だった。腎生存率はHIV非感染者で94.6%、HIV感染患者で87.9%であったが、研究者たちが結果を分析すると、HIV陽性者に移植された腎臓の中には、いわゆるDGF(臓器移植後臓器機能障害)と呼ばれる、機能低下を示すものがあり、これらは30%も腎生存率が低下することが分かっている。この集団からDGFを除いて比較すると、HIV陽性者と非感染者での生存率及び腎生存率は同等であったと、Dr.Lockeは語った。
Lockeによると、ドナーが高齢であること、病気腎であること、移植腎の虚血時間が長くなることなどのリスクファクターをコントロールすることでDGFを避けうることが重要である。
SOURCE: Johns Hopkins Medical Institutions
欧州委員会は、1日1回のダルナビル800mg錠を、低用量のリトナビルとの併用で、未治療の成人に対する併用療法の一部として認可した。
「我々は、HIV治療を過去に受けていなかった成人に対して、効果的な1日1回で済む選択肢として、ダルナビルが使用可能となったことを歓迎する」と、マーク・ネルソン医師(英国ロンドン、ウエストミンスター病院)は語った。「ダルナビルは、既治療の成人HIV感染患者に対して、この2年間多大な貢献をしてきた。このことは患者にとって大きな前進である」"
この認可は、48週間の血漿HIV-RNAレベルとCD4陽性細胞数をオープンラベルで解析した第3相試験、ARTEMIS試験に基づいている。この試験では、未治療HIV患者を対象に、ダルナビル/リトナビル群とロピナビル/リトナビル群との間で効果と安全性を比較している。その結果、ダルナビルはロピナビルにくらべて非劣性であった。 ウイルス量の検出限界以下への減少を達成した患者数については、ダルナビル/リトナビル群のほうがロピナビル/リトナビル群より多かった。ダルナビル/リトナビル群で最もよく見られた有害事象は、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、頭痛、下痢、嘔気と肝酵素(ALT)の上昇であった。
SOURCE: Johnson & Johnson